私が好きになったのはどっちなの?
「バスルーム借ります!」
 顔を隠しながらダッシュでバスルームに行き、洗顔して身支度を整える。
 再びキッチンに戻ると、先生はテーブルに着いていた。
「さあ、食べよう」
「今日も手伝えなくてすみません」
 しゅんとして謝り、いただきますをして朝食を食べると、また先生と一緒に出勤した。
 今日は樹先生の姿は見なかった。
 医局の前で蓮先生に告げる。
「先生、私、今日カフェに行って樹先生を釣りに誘います。もうひとりで大丈夫ですから」
 とびきりの笑顔で笑う。
 これが私にできる精一杯のお礼。
「わかった。花梨ちゃんは花梨ちゃんらしくあればいいから」
 蓮先生は優しく微笑んで私にエールを送る。
「はい」
 明るく返事をして、私の後ろ姿を見つめる先生の視線を感じながらナースステーションに向かう。
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