私が好きになったのはどっちなの?
 でも、これは私が望んだことだ。悲しく思うべきじゃない。
 その日、師長から蓮先生がドイツに行くため来週から一週間不在だという連絡があった。
 引き継ぎもあるだろうし、とりあえず恩師の様子を見に行くのかもしれない。
「……これでいいんだ」
 胸が痛くなるのを感じながら自分を納得させた。


「今日も晴れてよかったね」
 静香さんの言葉に笑顔で頷く。
「本当に。日焼け止め塗らなきゃ」
 その週の土曜日、私は静香さんと一緒に寮の前で樹先生が来るのを待っていた。
 蓮先生は今日ドイツに発つから来ないのはわかってる。
 もし樹先生が土方先生にも声をかけたなら私も一緒に行くが、樹先生が誰も誘わなければ理由をつけて抜けるつもりでいた。
「蓮先生は今日ドイツに行くでしょう? 樹先生誰かに声をかけたのか、結局教えてくれなかったのよね。昨日も遅くまで仕事してたみたいだし、しつこくメッセージ送るのは申し訳ないと思って」
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