私が好きになったのはどっちなの?
 仕事ハードですもんね。
「先生は自炊とかはされるんですか?」
「凝ったものは作らないけど、一応料理はするよ。花梨ちゃんは?」
「四月に寮に引っ越してからまだ一度も包丁握ってません。あっ、炊飯器もまだ使ってないです。なんか余裕なくって」
 恥ずかしながらそんなぶっちゃけ話をするが、彼は優しい目で相槌を打つ。
「まあ一日中立ちっぱなしだし、脳外科は仕事結構ハードだよね」
「体位交換とか大変で、もう毎日湿布貼ってます」
 寝たきりの人の身体があんなに重いとは思わなかった。
「かぶれないよう気をつけてね。あっ、そうだ。また待たせることあると思うから、連絡先交換しておこう」
 蓮先生がスマホを出してきたので、「あっ、はい」とスマホを出して連絡先を交換したら、なぜか先生がジーッと私を見つめてくる。
「え? なんですか?」
「連絡先を教えてって言ったのは俺だけど、他の男にはそう易々と教えちゃダメだよ。お兄さんは心配だ」
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