私が好きになったのはどっちなの?
俺にプライドを傷つけられて辞めていった看護師は両手で数えるくらいはいて、女そのものに辟易していた。
だが、花梨ちゃんは樹に対する思いも純粋で、玉の輿目当てで群がってくる看護師たちとは違う。真面目に一人前の看護師になろうと頑張っている花梨ちゃんのことは特別に思っていた。彼女は優しく見守っていきたい。
なんせ脳外での仕事はハードで、配属されて三カ月も経たないうちに異動を志願する新人看護師が後を絶たない。今はベテラン看護師に支えられている状況だ。
「私、犬か猫ですか?」
花梨ちゃんがそんなつっこみをしてきてハッとし、「猫かな」とちょっと弄る感じで返した。
「花梨ちゃんって犬みたいに呼んでホイホイ来るタイプじゃないし」
そう。彼女はなんていうか、いつも学校の風紀委員のような厳しい目で、俺が悪さをしていないか監視しているのだ。
俺が看護師とイチャイチャしているところを見たものだから、仕事中も女と遊んでいると思っているのだろう。
まあ、絡んでくる看護師に冷たく対応しているところはまだ見られていないしね。