私が好きになったのはどっちなの?
「ああ。麻里さんがハンガーにかけてくれた」
 壁のフックにかかっている服を指差せば、花梨ちゃんがすぐにベッドを出てハンガーごと掴み、「シャワー借ります!」と寝室を飛び出す。
「なんか、賑やかだな」
 人を泊めたことがなかったから、こんな朝は初めてだ。
 クスッと笑って服を着替えると、キッチンに移動し、朝食をふたり分用意する。
 ダイニングテーブルにサラダや目玉焼き、ソーセージなどを並べていたら、花梨ちゃんが現れた。
「あの……シャワーありがとうございました。ご迷惑をおかけしてすみません!」
 動揺を隠しきれない様子で深く頭を下げる彼女に、優しく声をかける。
「謝るのはいいから、朝食食べなよ」
「いいえ、そこまでお世話になるわけには……」
 彼女がブンブンと首を振って遠慮がちに断るので、笑顔で俺の向かい側の席を顎でクイと示した。
「もう作っちゃったし、ほらそこ座って。俺、今日は学会があっていつもより早く出ないといけないんだ」
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