私が好きになったのはどっちなの?
でも、骨折したお陰で樹先生に会えたし、今の私がある。
コンコンとドアをノックすると、いつもの美声で「どうぞ」という声が返ってきた。
「失礼します」と中に入ったら、先生がパソコンのキーボードを操作しながら私にちらっと目をやった。
「いらっしゃい」
「あの……お忙しいんじゃないですか?」
まだパソコンで作業をしているので気になって尋ねたら、先生は素早い動きでキーボードを叩き、とびきりの笑顔で私の方を向く。
「大丈夫。これで終わり。いいよ」
「先生、お昼まだですよね?」
「まあ、ついさっきまで診察してたからね」
「よかったら、お握り食べませんか?」
手に持っているバッグを出すと、蓮先生が目を輝かせた。
「ひょっとして作ってきてくれたの?」
「先生お昼抜きにしちゃったら、師長に怒られちゃうからですよ」
照れ隠しにそう言って、タッパーを出す。
「最初に謝っておきますが、うち食材がなかったので、お握りだけです。塩、鮭、梅の三種類……それだけです」
なんか説明しててだんだん惨めになってきた。
「鮭はあったんだ?」
楽しげに目を光らせる先生に、正直に言う。
コンコンとドアをノックすると、いつもの美声で「どうぞ」という声が返ってきた。
「失礼します」と中に入ったら、先生がパソコンのキーボードを操作しながら私にちらっと目をやった。
「いらっしゃい」
「あの……お忙しいんじゃないですか?」
まだパソコンで作業をしているので気になって尋ねたら、先生は素早い動きでキーボードを叩き、とびきりの笑顔で私の方を向く。
「大丈夫。これで終わり。いいよ」
「先生、お昼まだですよね?」
「まあ、ついさっきまで診察してたからね」
「よかったら、お握り食べませんか?」
手に持っているバッグを出すと、蓮先生が目を輝かせた。
「ひょっとして作ってきてくれたの?」
「先生お昼抜きにしちゃったら、師長に怒られちゃうからですよ」
照れ隠しにそう言って、タッパーを出す。
「最初に謝っておきますが、うち食材がなかったので、お握りだけです。塩、鮭、梅の三種類……それだけです」
なんか説明しててだんだん惨めになってきた。
「鮭はあったんだ?」
楽しげに目を光らせる先生に、正直に言う。