負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る
 メイサといることに慣れてくると、気がゆるんで、バカなとことかカッコ悪いとこばっか見せてた。

 ついメイサに家のことをぼやいたら、慰めてくれるかと思ったのに、


「バットぶん回したら、元気になるよ」


 とバッティングセンターでバットを渡された。

 なんでだよ。

 脳筋かよ。

 メイサはやけに上手で、ばんばんホームランを打つ。

 俺も何度かやったら遠くに飛ばせるようになって、終わるころにはすっきりしてた。


「……ありがと」

「どういたしまして」


 俺を見上げる笑顔は、前よりずっとかわいくて、これに気付かなかった一ノ瀬先輩はバカだと思う。

 次の日、筋肉痛で苦しんでたら温めてマッサージしてくれて、


「どうかな、ちょっとは良くなった?」

「うん。ありがと。さすが女マネ」

「そうでしょ、褒めて」

「そこで調子に乗っちゃうからなー」


 頭を撫でると気持ちよさそうにしてて、負け犬だった先輩は、すっかり手懐けられた飼い犬になっていた。


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