負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

03月15日、日曜日

 夜、スマホをいじってたら、「ホワイトデーのお菓子の意味! あなたは何をもらった?」というタイトルが目に入った。

 クリックして記事を読んでみる。


「うわ……」


 昨日、もらったマカロンは「あなたは特別な存在」。

 試験中にもらった飴と金平糖は「あなたのことが好き」。

 キャラメルは「一緒にいると安心できる」。


「いや……いやいやいや……」


 たまたまでしょ!? 偶然だよね?

 誰かそう言って。私にはキャパオーバー!

 スマホを操作して藤也の名前を表示した。

 三秒悩んで、名前をタップ。ワンコールで繋がる。


『はいはい、俺の声聞きたくなった?』

「うん。なった」

『素直じゃん』

「あのね、マカロンおいしかった。ありがと」

『どういたしまして』

「ありがと」

『うん?』

「藤也のおかげで、私負け犬じゃなくなった」

『まだ早いんじゃないの? 96日だぜ』

「そうなんだけどさ。たぶん、告白してフラれても、しょうがないって思えると思う」

『25点。フラれる前提で話すなよ。好きにさせろよ。そいつのことが好きならさ』


 言ってることはかっこいいのに、藤也の声は飴みたいに甘い。

 失敗したな。

 声を聞いたら会いたくなった。


「寝る、おやすみ」

『早いな』

「声聞いたら藤也に会いたくなったから寝る」

『ああ、じゃあ俺も寝るわ。明日電車乗ったら教えてよ。駅まで行くから』

「……うん。おやすみダーリン。愛してる」

『おやすみ、ハニー。俺も愛してる』


 電話を切って、スマホを充電器につなげた。

 たぶん今なら夢で会えると思う。
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