【番外編追加】ロマンスに、キス
「…俺は、お前とそういうことしたいよ」
真上から落ちてきた佐野の声は、いつになく低くて、熱を含んでいて、胸の奥をぎゅっと掴んでくる。
「お前が、いいよって言ってくれんなら、初めてだろーが絶対途中でやめてやんないし、優しくする気だって1ミリもない。ノンストップで、朝まで抱く」
……いや、それはどうかと思うよ、佐野。
「なあ、それでもいい?」
問いかけは優しさを含んでいるのに、その瞳は、逃げ道を奪うみたいにまっすぐで。
文句のひとつでも言ってやろうと、一瞬は思った。
でも――
佐野が見つめるその目が、まるであたしを、ひどく、どうしようもなく、欲しているように見えてしまって。
その視線に一晩中捕まって、愛されるなら。
……それも悪くないって、思ってしまった。
怖さがないわけじゃない。
知らないことばかりだし、急に心臓が震えるくらい不安にもなる。
でも、それよりも何百倍も強く――
佐野に愛されてみたいと思ってしまう。