季節は巡り、隣のあなたはいつでも美しい
同窓会当日、藤乃の言いたかったことを理解した。
「由紀くん久しぶり! ……彼女、いる?」
「瑞希くん、一緒に抜けようよ」
「由紀くんと須藤くん、まだ仲いいんだ? 須藤くんも一緒に、もっと静かなところ、いかない?」
そういう声に延々と断りを入れた。
藤乃の方は、
「結婚してるから」
「大事な妻に心配かけるようなことしたくないんだよね」
と、二三回断ったら、逆に
「須藤くん愛妻家なんだね」
「奥さんの写真見せて! わ、綺麗な人……!」
「ちょ、うちの嫁もかわいいから見てよ」
「瑞希そっくりだな……」
なんて男女問わず盛り上がっている。
「藤乃ー……助けて……」
「だから言っただろ。狙われやすいって」
「知らねえよ……」
藤乃に泣きついていたら、男どもが寄ってきた。
「瑞希も結婚してるんだ? 奥さん苦労してそう」
「させねえよ、バカ。俺がどれだけ大事にしてると思ってんだよ!!」
声を上げた。
「写真あるだろ?」
藤乃が囁くから、少し前に一緒にカフェに行ったときの写真を出す。
澪がニコニコしながらケーキを頬張ってる写真だ。
「うっわ、美人捕まえたねー……」
「瑞希と並ぶと美女と野獣じゃん」
「そうだろ!? かわいいだろ!? 俺がこいつに嫁に来てもらうのにどれだけ苦労したと思ってるんだよ。誰が浮気なんかするか!!」
「見合いなのに苦労しててウケる」
横で呟いた藤乃を蹴飛ばした。
苦労したのは優しくない俺の自業自得だけど、余計な心配も苦労もかけたくないのは事実だ。
騒いだ甲斐あって、元セフレはほとんど散ってった。
そのあとは適当に飲んで喋って解散。
二次会には行かないで、藤乃と電車に乗る。
「あ、花音ちゃんが迎えに来てくれるって」
「助かる。いや、酷い目にあった。お前がいて良かった」
「いいよ、別に。慌てふためく瑞希が面白かったから」
笑う藤乃から目を逸らす。
外は真っ暗で、電車の中からは星も月も見えなかった。
「由紀くん久しぶり! ……彼女、いる?」
「瑞希くん、一緒に抜けようよ」
「由紀くんと須藤くん、まだ仲いいんだ? 須藤くんも一緒に、もっと静かなところ、いかない?」
そういう声に延々と断りを入れた。
藤乃の方は、
「結婚してるから」
「大事な妻に心配かけるようなことしたくないんだよね」
と、二三回断ったら、逆に
「須藤くん愛妻家なんだね」
「奥さんの写真見せて! わ、綺麗な人……!」
「ちょ、うちの嫁もかわいいから見てよ」
「瑞希そっくりだな……」
なんて男女問わず盛り上がっている。
「藤乃ー……助けて……」
「だから言っただろ。狙われやすいって」
「知らねえよ……」
藤乃に泣きついていたら、男どもが寄ってきた。
「瑞希も結婚してるんだ? 奥さん苦労してそう」
「させねえよ、バカ。俺がどれだけ大事にしてると思ってんだよ!!」
声を上げた。
「写真あるだろ?」
藤乃が囁くから、少し前に一緒にカフェに行ったときの写真を出す。
澪がニコニコしながらケーキを頬張ってる写真だ。
「うっわ、美人捕まえたねー……」
「瑞希と並ぶと美女と野獣じゃん」
「そうだろ!? かわいいだろ!? 俺がこいつに嫁に来てもらうのにどれだけ苦労したと思ってるんだよ。誰が浮気なんかするか!!」
「見合いなのに苦労しててウケる」
横で呟いた藤乃を蹴飛ばした。
苦労したのは優しくない俺の自業自得だけど、余計な心配も苦労もかけたくないのは事実だ。
騒いだ甲斐あって、元セフレはほとんど散ってった。
そのあとは適当に飲んで喋って解散。
二次会には行かないで、藤乃と電車に乗る。
「あ、花音ちゃんが迎えに来てくれるって」
「助かる。いや、酷い目にあった。お前がいて良かった」
「いいよ、別に。慌てふためく瑞希が面白かったから」
笑う藤乃から目を逸らす。
外は真っ暗で、電車の中からは星も月も見えなかった。