『ドレスに宿る誓い』―Elara & Lanois 王国を変えた仕立て屋たち―
王都のメインストリートでは。

“王妃の浪費の象徴”と名指しされたアトリエが、
怒れる市民たちによって放火される。
王家御用達デザイナー、
バイロンのアトリエである。

バイロンは叫びながら門を叩いた。

「やめろ! やめろォォ!!
あれは私の人生そのものなんだ!!」

だが炎は容赦なく、
王妃のドレス、貴族の夜会服、
そして彼の代表作たちを飲み込んでいく。

爆ぜる火の粉が、
バイロンの自尊心とプライドを
焼き尽くすかのようだった。

「私の……私の栄光が……!!」

彼は狂ったように笑い出し、
燃え上がるアトリエを
ただ呆然と見つめ続けた。

彼が掴んだと思っていた栄光は
この日、
一瞬にして灰と化してしまったのだった。
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