元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
そんな和那をしばらく眺めていた柚希だったが


「一応確認するけどさ、ナミは湊を昔から推してた。それはアイツのベースの腕を認めていたからだけど、でもそれだけが理由じゃないよね?」


口調を和らげて、尋ねる。


「うん・・・。」


「どういう理由?」


「・・・憧れてた。」


「ミュ-ジシャンとして?」


「うん。」


「あとは?」


「えっ?」


「それだけ?」


「・・・。」


「隠すんだ、今更?」


また少し、口調が鋭さを増して来る。


「好きだったんでしょ?」


「・・・うん。」


「だよね?じゃなきゃ、卒フェスでいきなり、奴に抱き着いたりしないもんね。」


「あれは、自分でも・・・あとでビックリした。」


俯きながら、答える和那。


「それで、今は?」


「えっ?」


「再会して、半年経って、情けない姿もたくさん見ちゃったし、失望もした。その上で、今の湊をどう思ってるの?」


真っすぐに柚希は尋ねる。沈黙が流れる・・・俯いたままだった和那だったが、やがて、意を決したように、顔を上げた。


「好き、です。」


なぜか敬語で、でも和那はハッキリと答えた。
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