元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
「ここから、あれが見えるんですよ。」
「あれ?」
「ほら。」
そう言って湊が指さす方向に見えるのは・・・
「武道館?」
「ええ。学生時代からの夢だったんですよ。いつか、あそこに立てるようなミュ-ジシャンになりたいって。全然無理でしたけどね。」
「・・・。」
「ミュ-ジシャンの頃はもちろん、辞めてここに就職してからも、何かあると、あの建物の前に行っては黄昏てたものです。わざわざ歩いて行かなくても、ここから見えたのに。だいたい音楽から逃げて、音楽を避けてたくせに・・・我ながら変な奴です。」
今も、ライトに照らされている玉ねぎを見ながら、そんなことを言っている湊の横顔を、和那がそっと伺っていると
「いけねぇ。また自分のことばかりしゃべってるな、俺。」
苦笑いを浮かべる湊が、彼女を見た。
「実は俺・・・最近、ちょっと変なんですよ。」
和那は何も言わない。ただ、静かに続きを待つ。
「夜のオフィスで話した日から、仕事してても、会議に出てても、家に帰っても、休日でも、気が付くと・・・。」
一度言葉が途切れる。そして
「南澤さんのこと、考えてる。」
この湊の言葉に、和那の胸は大きく高鳴るが、それを悟られないように、小さく息を整える。
「あれ?」
「ほら。」
そう言って湊が指さす方向に見えるのは・・・
「武道館?」
「ええ。学生時代からの夢だったんですよ。いつか、あそこに立てるようなミュ-ジシャンになりたいって。全然無理でしたけどね。」
「・・・。」
「ミュ-ジシャンの頃はもちろん、辞めてここに就職してからも、何かあると、あの建物の前に行っては黄昏てたものです。わざわざ歩いて行かなくても、ここから見えたのに。だいたい音楽から逃げて、音楽を避けてたくせに・・・我ながら変な奴です。」
今も、ライトに照らされている玉ねぎを見ながら、そんなことを言っている湊の横顔を、和那がそっと伺っていると
「いけねぇ。また自分のことばかりしゃべってるな、俺。」
苦笑いを浮かべる湊が、彼女を見た。
「実は俺・・・最近、ちょっと変なんですよ。」
和那は何も言わない。ただ、静かに続きを待つ。
「夜のオフィスで話した日から、仕事してても、会議に出てても、家に帰っても、休日でも、気が付くと・・・。」
一度言葉が途切れる。そして
「南澤さんのこと、考えてる。」
この湊の言葉に、和那の胸は大きく高鳴るが、それを悟られないように、小さく息を整える。