元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
「さ、取り敢えずどうしますか・・・あっ、どうする?」


相変わらず、慣れないタメ口に苦戦する湊に対して


「まずはご飯でしょ。」


和那は即答。


「南澤さんは食いしん坊だな。」


「えっ、この前も夕飯一緒に食べたから?だって、あの時も今日も、ちょうどそういう時間でしょ?」


「まぁ、そうだけど・・・。」


「それに『同じ釜の飯を食う』って、言うじゃない。お互いに気ごころを知るには、食事を共にするのが一番。」


「それ、言葉の使いどころが微妙に違うような・・・。」


「そんなことないよ、さぁ行こう。」


「行こうって、もう場所、決まってるの?」


「ううん。」


「なんだよ、それ。」


一瞬、呆れた表情になった湊だが、気を取り直したように


「何か食べたいもの、ある?」


と尋ねると


「パスタ。」


和那は即答。


「えっ?この前もパスタだったよね。」


「いいじゃん、好きなんだから。」


「まぁ女子はみんなパスタ好きだからな。男のラーメンみたいなものか?」


「それは固定観念が過ぎるよ。今や、女子のひとりラーメンなんて、珍しくもなんともない。ラーメンが男子の食べ物なんて時代は、とうに過ぎた。」


「はいはい、わかりました。とにかく行きますよ。」


「朝比奈くん、また敬語。」


「朝比奈、くん?」


突如、聞き慣れぬ呼び名で呼ばれ、湊が思わず聞き返す。
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