元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
オフィスでの、そんな噂話のターゲットにされているとは、露とも思っていない和那。会社を出て、チラリと腕時計に目をやると、すぐにスマホを取り出すが、待ちわびている連絡はまだ来ていない。
東都食品に向かった湊からは、先方への謝罪は無事に終わり、相手の担当者とのスケジュ-ルが合ったので、明日の予定だった打ち合わせを、このまま前倒しで実施する旨のメール報告が既にあった。それに対して
『遅くなりそう?』
と返したのは、上司としてではない。彼とは夜、食事を共にする約束があった。
『大丈夫だと思うけど、また連絡する。』
この返事が今のところの最後の連絡。そこで
『今、会社を出た。このまま現地に向かってもいい?』
とLINEを送ると
『お疲れ、今、電車の中。少し遅れると思うけど、先に店に入って待ってて。』
返信が間髪入れずに入って来たので、ホッとしたような笑顔を浮かべると、そのまま駅に向かう。ちなみに直帰許可は、最初の連絡の時に出しておいたが、決して私情ではないので、念の為。
電車に乗り込み、三駅先で降りると、そのままタ-ミナル直結の個室があるイタリアン居酒屋に入る。10分ほど、待っていると
「お待たせ。」
湊が入って来る。
「お疲れ、大変だったね。」
「大丈夫。お陰で明日の打ち合わせも終わったし、何なら、明日の和那の打ち合わせ、付き合おうか?」
「湊に来てもらえれば、ありがたいけど、やっぱり周りに変に思われるよ。」
「そうかな。じゃ、仕方ない。取り敢えず注文しちゃおう。」
和那と湊が心を通じ合わせてから、あっという間に3ヶ月が過ぎた。順調に恋を愛へと育んでいるふたりだが、社内ではあくまで、「上司と部下」という関係性を貫いているし、仕事帰りのデートもこうして、会社から離れた場所を選んでいる。
「社内恋愛が周りにばれて、メリットなんか1つもないよ。」
という和那の判断だが、どうやらその配慮も無になりそうな気配であることを、ふたりはまだ知らない。
東都食品に向かった湊からは、先方への謝罪は無事に終わり、相手の担当者とのスケジュ-ルが合ったので、明日の予定だった打ち合わせを、このまま前倒しで実施する旨のメール報告が既にあった。それに対して
『遅くなりそう?』
と返したのは、上司としてではない。彼とは夜、食事を共にする約束があった。
『大丈夫だと思うけど、また連絡する。』
この返事が今のところの最後の連絡。そこで
『今、会社を出た。このまま現地に向かってもいい?』
とLINEを送ると
『お疲れ、今、電車の中。少し遅れると思うけど、先に店に入って待ってて。』
返信が間髪入れずに入って来たので、ホッとしたような笑顔を浮かべると、そのまま駅に向かう。ちなみに直帰許可は、最初の連絡の時に出しておいたが、決して私情ではないので、念の為。
電車に乗り込み、三駅先で降りると、そのままタ-ミナル直結の個室があるイタリアン居酒屋に入る。10分ほど、待っていると
「お待たせ。」
湊が入って来る。
「お疲れ、大変だったね。」
「大丈夫。お陰で明日の打ち合わせも終わったし、何なら、明日の和那の打ち合わせ、付き合おうか?」
「湊に来てもらえれば、ありがたいけど、やっぱり周りに変に思われるよ。」
「そうかな。じゃ、仕方ない。取り敢えず注文しちゃおう。」
和那と湊が心を通じ合わせてから、あっという間に3ヶ月が過ぎた。順調に恋を愛へと育んでいるふたりだが、社内ではあくまで、「上司と部下」という関係性を貫いているし、仕事帰りのデートもこうして、会社から離れた場所を選んでいる。
「社内恋愛が周りにばれて、メリットなんか1つもないよ。」
という和那の判断だが、どうやらその配慮も無になりそうな気配であることを、ふたりはまだ知らない。