元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
神崎が控室に戻ると
「蓮さん、こいつを使えばいいんですね?」
一足先に着いていた湊が声を上げる。彼は、既に1本のベースを手にしていた。黒いボディ、少し使い込まれた傷、ストラップ、シールド、本当に、どこにでもあるベースだった。
「ああ。予備なんて、その1本しか用意してねぇよ。」
と答えた神崎に、状況がわからず、メンバ-たちが戸惑いの視線を向けて来る。
「朝比奈湊。知ってる奴も知らない奴もいるだろうが、ちょっと前までは、一端のベーシストだった。とにかく今はコイツの手を借りるしかない。」
「よろしくお願いします。」
神崎の紹介を受けて、湊が頭を下げる。
「湊に楽譜とセットリストを渡してくれ。とにかく時間がない、リハに入るぞ。」
その言葉を受けて、メンバ-たちが動き出す。そして、スタッフたちが走る。そこは、既に戦場のような様相を呈している。
そんな中、『STILL BLUE』の最終リハ-サルは始まった・・・いや始めようとした時
「どうした?まさか楽譜の読み方忘れたなんて、とぼけたこと言うんじゃねぇだろうな?」
なんとも言えない表情を浮かべている湊に気付いて、神崎が声を掛ける。
「本当に1年以上、俺ベースに触れてないんですよ。指が動くかどうか?それに・・・やっぱり自分のベースじゃないと・・・。」
不安を訴える湊に
「弘法、筆を選ばずって言うだろう。この期に及んで、そんな泣き言は聞かねぇよ。」
神崎は厳しい口調で言い放つと、構わずカウントを開始する。湊も覚悟を決めるしかない。
「蓮さん、こいつを使えばいいんですね?」
一足先に着いていた湊が声を上げる。彼は、既に1本のベースを手にしていた。黒いボディ、少し使い込まれた傷、ストラップ、シールド、本当に、どこにでもあるベースだった。
「ああ。予備なんて、その1本しか用意してねぇよ。」
と答えた神崎に、状況がわからず、メンバ-たちが戸惑いの視線を向けて来る。
「朝比奈湊。知ってる奴も知らない奴もいるだろうが、ちょっと前までは、一端のベーシストだった。とにかく今はコイツの手を借りるしかない。」
「よろしくお願いします。」
神崎の紹介を受けて、湊が頭を下げる。
「湊に楽譜とセットリストを渡してくれ。とにかく時間がない、リハに入るぞ。」
その言葉を受けて、メンバ-たちが動き出す。そして、スタッフたちが走る。そこは、既に戦場のような様相を呈している。
そんな中、『STILL BLUE』の最終リハ-サルは始まった・・・いや始めようとした時
「どうした?まさか楽譜の読み方忘れたなんて、とぼけたこと言うんじゃねぇだろうな?」
なんとも言えない表情を浮かべている湊に気付いて、神崎が声を掛ける。
「本当に1年以上、俺ベースに触れてないんですよ。指が動くかどうか?それに・・・やっぱり自分のベースじゃないと・・・。」
不安を訴える湊に
「弘法、筆を選ばずって言うだろう。この期に及んで、そんな泣き言は聞かねぇよ。」
神崎は厳しい口調で言い放つと、構わずカウントを開始する。湊も覚悟を決めるしかない。