元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
神崎が客席に向かって、腕を突き上げる。ドラムが応える、ギターが吠える。そして、湊は笑っていた。気づかないうちに、本当に久しぶりに、心の底から楽しそうに・・・。
最初の一曲は、あっという間だった。気づけば終わっていた。歓声が上がる、拍手が降り注ぎ、照明が揺れている。湊は思わず息を吐いた。
(やれた、ちゃんと・・・。)
だけど、そんな感慨に浸る間もなく、2曲目のイントロが始まる。
「盛り上がってるか!」
神崎が叫ぶ。それに応えて、客席から大きな歓声が上がる。
「まだまだ行けるよな!」
さらに大きな歓声、神崎は満足そうに頷いて
「最後までついて来いよ!」
その声に合わせて、湊はまたベースへ指を掛けた。その動きは、もう自然だった。緊張も恐怖も、どこかに吹っ飛んでいた。
客席を見る、人がいる、たくさんの人がいる。みんな楽しそうだった。そして、ふとステージ袖へ視線を向ける。そこに・・・和那がいた。
スタッフパスを首から下げたまま。忙しいはずなのに、それでも、こちらを見ていた。一瞬だけ、目が合った。和那が親指を突き出して、ニッコリと笑ったのがはっきりわかった。それだけだった、それだけなのに
(俺は行ける。)
力がみなぎって来るのを、湊は全身でまざまざと感じていた。
最初の一曲は、あっという間だった。気づけば終わっていた。歓声が上がる、拍手が降り注ぎ、照明が揺れている。湊は思わず息を吐いた。
(やれた、ちゃんと・・・。)
だけど、そんな感慨に浸る間もなく、2曲目のイントロが始まる。
「盛り上がってるか!」
神崎が叫ぶ。それに応えて、客席から大きな歓声が上がる。
「まだまだ行けるよな!」
さらに大きな歓声、神崎は満足そうに頷いて
「最後までついて来いよ!」
その声に合わせて、湊はまたベースへ指を掛けた。その動きは、もう自然だった。緊張も恐怖も、どこかに吹っ飛んでいた。
客席を見る、人がいる、たくさんの人がいる。みんな楽しそうだった。そして、ふとステージ袖へ視線を向ける。そこに・・・和那がいた。
スタッフパスを首から下げたまま。忙しいはずなのに、それでも、こちらを見ていた。一瞬だけ、目が合った。和那が親指を突き出して、ニッコリと笑ったのがはっきりわかった。それだけだった、それだけなのに
(俺は行ける。)
力がみなぎって来るのを、湊は全身でまざまざと感じていた。