元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
『なんでって、その理由は、奴を今「湊」と呼んだ南澤さんが一番よくご存じなんじゃないですか?』
その神崎の言葉に、ハッとした和那だったが
「・・・わかりません。」
首を振るしかなかった。
『そうですか・・・。』
ここで、神崎は一瞬、言葉を切った。
『昨日、俺は湊とはあの後、何の話もしてません。もちろん、湊がウチに来たいと言うなら、俺は喜んで迎え入れます。メンバ-だって、昨日で奴の腕が確かなのは、目の当たりにしたはずです。誰も反対せんでしょう。』
「だと、思います。」
『でも、昨日、奴が弾いてくれたのは、俺たちの為でもなければ、観客の為でもない。自分の為ですらないでしょう。奴が自分の気持ちを曲げてまで昨日弾いた理由はたぶん、たった1つしかないんですよ。』
「神崎さん・・・。」
神崎が言わんとすることがわからないほど、和那も鈍くはない。思わず息を呑むと
『そう思ったからこそ、俺は奴に何も言わなかった。』
「・・・。」
『少し出すぎたことを言ってしまったかな。とにかく、まぁあくまで俺がそう思っただけですから。あとはあなたが、奴に直接聞いて下さい。』
そう言って笑ったあと
『ということで、湊はもうこっちには戻って来ない、はずです。だから・・・奴のことはよろしくお願いします。俺にとっちゃ、可愛い大学の後輩なんで。じゃ、失礼します。』
今度こそ、通話は切れた。その受話器を持ったまま、和那は立ちつくしていた。
その神崎の言葉に、ハッとした和那だったが
「・・・わかりません。」
首を振るしかなかった。
『そうですか・・・。』
ここで、神崎は一瞬、言葉を切った。
『昨日、俺は湊とはあの後、何の話もしてません。もちろん、湊がウチに来たいと言うなら、俺は喜んで迎え入れます。メンバ-だって、昨日で奴の腕が確かなのは、目の当たりにしたはずです。誰も反対せんでしょう。』
「だと、思います。」
『でも、昨日、奴が弾いてくれたのは、俺たちの為でもなければ、観客の為でもない。自分の為ですらないでしょう。奴が自分の気持ちを曲げてまで昨日弾いた理由はたぶん、たった1つしかないんですよ。』
「神崎さん・・・。」
神崎が言わんとすることがわからないほど、和那も鈍くはない。思わず息を呑むと
『そう思ったからこそ、俺は奴に何も言わなかった。』
「・・・。」
『少し出すぎたことを言ってしまったかな。とにかく、まぁあくまで俺がそう思っただけですから。あとはあなたが、奴に直接聞いて下さい。』
そう言って笑ったあと
『ということで、湊はもうこっちには戻って来ない、はずです。だから・・・奴のことはよろしくお願いします。俺にとっちゃ、可愛い大学の後輩なんで。じゃ、失礼します。』
今度こそ、通話は切れた。その受話器を持ったまま、和那は立ちつくしていた。