元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
お疲れ様の乾杯を終え、それぞれが並んでいる料理に箸をつけながら、あれやこれやと話していると


「そう言えば、ナミ。」


悠真が和那に呼び掛けて来た。


「なに?」


「ネットで見たんだけど、先週、どこかのフェスで湊が復活したらしいぞ。」


「あっ・・・。」


思わぬ話題が振られ、和那が口ごもっていると


「えっ、本当なの?それ。」


柚希を始めとした、他のメンバ-が食いついて来た。


「ああ。本当にたまたま、ネットでそんなことをつぶやいてるツイ-トに出くわしてな。ビックリして、調べてみたら、『STILL BLUE』のベースとして、そのフェスに出てたそうだ。」


「へぇ、神崎さんのバンドか。」


「メンバ-になったってこと?」


「いや、それについては調べてみたけど、『STILL BLUE』や所属事務所から何のコメントもないし、湊本人の反応も見当たらないから、わからないけど、でもネット界隈の一部は『伝説のベーシスト復活』って、沸いてるみたいだぜ。」


(そっか。湊の心配をしてたのは、当たり前だけど私だけじゃなかったんだ。湊が帰って来るのを待っていたのも・・・。)


和那がそんなことを考えていると


「ナミ。あんた、何にも知らなかったの?」


柚希が尋ねて来る。和那が湊を応援していたことは、この場にいる面々は当然知ってることだ。
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