元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
「それが大事なんじゃん。」


「えっ?」


「少なくても、ここのいる5人の中で、そこまでしてたのはナミだけ。世の中にだって、そんな多くはない。」


「そりゃ、そうだろうけど・・・。」


「怖いんだよね、ナミは。」


「えっ?」


「今の湊が何を考えて、何がしたいのか。彼の口から、それを聞くのが。」


「柚希・・・。」


図星だった。思わず頷いてしまった和那に


「その気持ち、わからないでもない。でもね、ナミ、アイツの本当の気持ちを聞き出すのは、あんたの権利であり、義務なんじゃないかな?」


「義務?」


「そうじゃないと、先に進めないじゃない。湊も、そしてナミも。」


そこまで言うと、柚希はニコッと彼女に笑い掛けた。その笑顔にハッと胸をつかれた和那の中に


『あとはあなたが、奴に直接聞いて下さい。』


このところあえて、記憶の彼方に追いやろうとして来た神崎蓮の言葉が甦って来る。


(そう、だよね・・・。)


「・・・わかった。」


ついに和那は頷いた。


「よし。じゃ、報告待ってるから。」


「うん。」


女同士、頷き合って、何やら全てが解決したような雰囲気になったのを見て


「なんだよ、結局何がどうなってるんだよ?」


訳が分からんとばかりに、悠真が口を尖らせるが


「だから、あんたの出る幕じゃないんだって。黙って、飲んでなさい。」


柚希に一蹴されて、場は笑いに包まれた。
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