元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
「きっと大恥かく、そう覚悟して上がったステージだったのに、いざ始まるとなんかすんなりとその場の空気に溶け込めて、1年以上、ベースに触れてなかったのに、自分でもびっくりするくらいにスムーズに指が動いて・・・。俺が音楽をやって来た時間も伊達じゃなかったんだなって実感しましたよ。」
その湊の言葉が終わった、次の瞬間
「無責任だね。」
気づけば、和那は口走っていた。
「その人、朝比奈さんを無責任に煽った女。」
「えっ?」
湊の視線が痛い。自分の表情が引きつっているのを、和那は、はっきり自覚していた。
「だって・・・。」
声が少し震える。
「朝比奈さん、苦しかったんでしょ?」
プロになって、夢を追って、傷ついて、壊れて、音楽から逃げた。本当は全部知っている。だから・・・
「その女の余計な一言がなかったら、違う人生だったかもしれない。」
そう言った和那の胸はギュッと痛んだ。
静寂、長い静寂・・・和那は湊の次の言葉が怖かった。耳を塞いでしまいたいくらいに・・・でも。
「それは違います。」
聞こえて来た声は、驚くほどはっきりしていた。
「朝比奈さん・・・。」
「確かに苦しかった、まぁめちゃくちゃ苦しかった。」
湊は苦笑を浮かべる。
「・・・。」
「だから、後悔したことはもちろんある、何であんな選択したんだろうって思ったことは何度もあります。」
「・・・。」
「だけど・・・俺、彼女を恨んだことなんか一度もないですよ。」
湊はこう言って少しだけ笑った、本当に少しだけ・・・。その顔を見た和那の胸が締め付けられる。
「朝比奈さん・・・。」
その湊の言葉が終わった、次の瞬間
「無責任だね。」
気づけば、和那は口走っていた。
「その人、朝比奈さんを無責任に煽った女。」
「えっ?」
湊の視線が痛い。自分の表情が引きつっているのを、和那は、はっきり自覚していた。
「だって・・・。」
声が少し震える。
「朝比奈さん、苦しかったんでしょ?」
プロになって、夢を追って、傷ついて、壊れて、音楽から逃げた。本当は全部知っている。だから・・・
「その女の余計な一言がなかったら、違う人生だったかもしれない。」
そう言った和那の胸はギュッと痛んだ。
静寂、長い静寂・・・和那は湊の次の言葉が怖かった。耳を塞いでしまいたいくらいに・・・でも。
「それは違います。」
聞こえて来た声は、驚くほどはっきりしていた。
「朝比奈さん・・・。」
「確かに苦しかった、まぁめちゃくちゃ苦しかった。」
湊は苦笑を浮かべる。
「・・・。」
「だから、後悔したことはもちろんある、何であんな選択したんだろうって思ったことは何度もあります。」
「・・・。」
「だけど・・・俺、彼女を恨んだことなんか一度もないですよ。」
湊はこう言って少しだけ笑った、本当に少しだけ・・・。その顔を見た和那の胸が締め付けられる。
「朝比奈さん・・・。」