《TwilightNotes ― 夜明けに鳴る音》
第2章

Scene1「ステージの上、君と」

 文化祭当日。
 体育館には、普段とは違う照明とスピーカー、そして期待に満ちたざわめきが渦を巻いていた。

 緞帳(どんちょう)の裏――。
 ステージに出る直前、麻里奈は胸の奥で高鳴る鼓動を止められずにいた。

「……手、冷たい」

 自分の指先を見つめてつぶやくと、隣にいた大和がそっと手を差し出した。

「ほら」

 驚いて顔を上げると、大和は照れくさそうに笑っていた。

「手、あっためとけって。ダンスのとき、つなぐからさ」

「……うん。ありがとう」

 その手を取った瞬間、胸のざわつきがふっと落ち着いた。
 ――隣に、この人がいる。それだけで、勇気が湧く。

 司会のアナウンスが響く。
 「次のステージ、ユニット“Twilight Notes”――」

 体育館が静まり返る。
 ライトが灯り、空気がしんと張り詰める。

 麻里奈と大和は視線を合わせ、軽く頷いた。

 
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