《TwilightNotes ― 夜明けに鳴る音》
Scene6「気づきたくなかった気持ち」
夜の部屋は、少し冷たかった。
窓の外から吹き込む風が、カーテンをゆらしている。
机の上には、音楽室で使っていたノート。
開いたままのページに、あの文字が見える。
「君とだったから、歌になった。」
指先で、そっとなぞる。
紙の感触が、なぜか胸の奥まで響いていく。
――あの夕焼けの坂道。
「笑っててくれたら、それでいい」って言った彼の声。
照れたように笑いながら、頭を撫でてくれたあの手。
どれも、少し前のことなのに。
まるで昨日のことみたいに、鮮明に思い出せる。
(……どうして、こんなに覚えてるんだろう)
思い出すたび、胸がぎゅっと締めつけられる。
苦しいのに、嫌じゃない。
むしろ、嬉しくて、どうしようもなくなる。
(これって……なに?)
友達? 仲間?
違う。そんな言葉じゃ、もう足りない。
彼が笑えば、それだけで安心する。
彼が沈めば、心まで曇ってしまう。
そんな自分に、気づきたくなかった。
“好き”なんて言葉を口にした瞬間、
この関係が壊れてしまいそうで――。
だけど、もう嘘はつけなかった。
(わたし、たぶん……大和くんが、好きなんだ)
ノートを閉じる音が、やけに静かに響く。
風がページの隙間を抜けていく。
心の中に、小さな灯りがともった。
まだ誰にも見せられないけれど、
それは確かに、ここにあった。
――けれど、その光が届く日は、
まだ遠い未来の話だった。
窓の外から吹き込む風が、カーテンをゆらしている。
机の上には、音楽室で使っていたノート。
開いたままのページに、あの文字が見える。
「君とだったから、歌になった。」
指先で、そっとなぞる。
紙の感触が、なぜか胸の奥まで響いていく。
――あの夕焼けの坂道。
「笑っててくれたら、それでいい」って言った彼の声。
照れたように笑いながら、頭を撫でてくれたあの手。
どれも、少し前のことなのに。
まるで昨日のことみたいに、鮮明に思い出せる。
(……どうして、こんなに覚えてるんだろう)
思い出すたび、胸がぎゅっと締めつけられる。
苦しいのに、嫌じゃない。
むしろ、嬉しくて、どうしようもなくなる。
(これって……なに?)
友達? 仲間?
違う。そんな言葉じゃ、もう足りない。
彼が笑えば、それだけで安心する。
彼が沈めば、心まで曇ってしまう。
そんな自分に、気づきたくなかった。
“好き”なんて言葉を口にした瞬間、
この関係が壊れてしまいそうで――。
だけど、もう嘘はつけなかった。
(わたし、たぶん……大和くんが、好きなんだ)
ノートを閉じる音が、やけに静かに響く。
風がページの隙間を抜けていく。
心の中に、小さな灯りがともった。
まだ誰にも見せられないけれど、
それは確かに、ここにあった。
――けれど、その光が届く日は、
まだ遠い未来の話だった。