《TwilightNotes ― 夜明けに鳴る音》
第5章
Scene1「秘密の共有」
コンパクトな建物の一室に、夜の静けさが染み込んでいた。
天井のミラーライトが、ゆらめくような淡い光を床に落としている。
大和の自宅兼ダンススタジオ。
その中央で、麻里奈は素足のまま、そっと床に腰を下ろしていた。
「……ほんとに、やるの?」
不安を含んだ問いに、大和は迷いのない眼差しでうなずく。
「ここで終わりたくないんだ。
俺、君ともう一度、あのときみたいに歌って踊りたい。
舞台に立ちたい。……でも今のままじゃ、無理だろ?
だったら、正体を隠してでもやるしかない」
麻里奈は視線を落とし、そっと拳を握った。
舞台、ステージ、表現すること。
もう諦めたはずの夢が、彼の言葉で静かに息を吹き返していく。
「……わかった。でも、バレたら大ごとだよ?
私たち、事務所に黙ってやることになるんだから」
「だからこそ、完璧に隠そう。
声も、顔も、全部。
仮面でもウィッグでも、なんでも使ってさ」
大和はノートパソコンを開き、いくつものビジュアル案を映し出した。
未来的なフェイスマスク。
スモークを使ったライティング。
匿名性を保ちながらも、心をつかむ演出。
その光が彼の瞳に反射し、まるで“もうひとりの大和”が生まれようとしているかのようだった。
「Twilight Notes、始めよう。
……あの時の、君とのユニットの名前で」
懐かしさと覚悟が滲んだ声に、麻里奈は思わず息をのむ。
「一緒にステージに立った、あの時の名前……」
「忘れられないんだ。
俺にとって、初めて“本当の自分”になれたステージだったから」
二人の視線が、静かに重なる。
迷いと期待、恐れと希望が、その沈黙の中で交錯していた。
――その夜、二人は“秘密”を共有した。
誰にも明かせない、もうひとつの夢を抱えて。
光と影の狭間で生まれた、他言無用の“共犯関係”として。
天井のミラーライトが、ゆらめくような淡い光を床に落としている。
大和の自宅兼ダンススタジオ。
その中央で、麻里奈は素足のまま、そっと床に腰を下ろしていた。
「……ほんとに、やるの?」
不安を含んだ問いに、大和は迷いのない眼差しでうなずく。
「ここで終わりたくないんだ。
俺、君ともう一度、あのときみたいに歌って踊りたい。
舞台に立ちたい。……でも今のままじゃ、無理だろ?
だったら、正体を隠してでもやるしかない」
麻里奈は視線を落とし、そっと拳を握った。
舞台、ステージ、表現すること。
もう諦めたはずの夢が、彼の言葉で静かに息を吹き返していく。
「……わかった。でも、バレたら大ごとだよ?
私たち、事務所に黙ってやることになるんだから」
「だからこそ、完璧に隠そう。
声も、顔も、全部。
仮面でもウィッグでも、なんでも使ってさ」
大和はノートパソコンを開き、いくつものビジュアル案を映し出した。
未来的なフェイスマスク。
スモークを使ったライティング。
匿名性を保ちながらも、心をつかむ演出。
その光が彼の瞳に反射し、まるで“もうひとりの大和”が生まれようとしているかのようだった。
「Twilight Notes、始めよう。
……あの時の、君とのユニットの名前で」
懐かしさと覚悟が滲んだ声に、麻里奈は思わず息をのむ。
「一緒にステージに立った、あの時の名前……」
「忘れられないんだ。
俺にとって、初めて“本当の自分”になれたステージだったから」
二人の視線が、静かに重なる。
迷いと期待、恐れと希望が、その沈黙の中で交錯していた。
――その夜、二人は“秘密”を共有した。
誰にも明かせない、もうひとつの夢を抱えて。
光と影の狭間で生まれた、他言無用の“共犯関係”として。