《TwilightNotes ― 夜明けに鳴る音》
Scene7「はじまりの名前」
次の日の昼休み。
ざわめく教室の中で、麻里奈は少しだけ勇気を出して、大和の席の横に立った。
「ねぇ、大和くん。お昼、一緒に食べてもいい?」
「……うん」
驚いたように顔を上げたあと、大和は静かにうなずいた。
それだけで、胸の奥がふわっとあたたかくなる。
ふたりで窓際の端の席に並ぶ。
パンの袋を開ける音、紙パックを開ける小さな音――
まわりの笑い声がどこか遠くにかすんで、ここだけ時間がゆっくり流れているようだった。
「……でさ、文化祭。ユニットの名前、もう考えた?」
不意の問いに、麻里奈は目を丸くする。
「え、名前? ……そんなの、まだ全然!」
「俺、ちょっと考えてみたんだけど」
そう言って、大和はノートの端を破り、小さく折った紙を差し出した。
「なにこれ?」
「候補っていうか……仮」
そっと開くと、少し乱れた字でこう書かれていた。
《Twilight Notes》
「……トワイライト?」
「夕方の放課後、音楽室。……だいたい俺たち、いつもそこで練習してるだろ?」
その言葉に、思わず笑ってしまった。
ちゃんと見てくれていたんだ――あの放課後を。
「……いい名前。すごく好き」
大和は照れたように目をそらす。
「なら、決まりだな」
「うん。“Twilight Notes”、ふたりのはじまりにぴったりだね」
窓の外で、春の光がきらめいた。
まだ何も形になっていない未来が、ほんの少し輪郭を持ち始める。
リズムも、メロディも、歌詞も、全部これから――
でも、それでもきっと大丈夫。
君となら、きっと。
ざわめく教室の中で、麻里奈は少しだけ勇気を出して、大和の席の横に立った。
「ねぇ、大和くん。お昼、一緒に食べてもいい?」
「……うん」
驚いたように顔を上げたあと、大和は静かにうなずいた。
それだけで、胸の奥がふわっとあたたかくなる。
ふたりで窓際の端の席に並ぶ。
パンの袋を開ける音、紙パックを開ける小さな音――
まわりの笑い声がどこか遠くにかすんで、ここだけ時間がゆっくり流れているようだった。
「……でさ、文化祭。ユニットの名前、もう考えた?」
不意の問いに、麻里奈は目を丸くする。
「え、名前? ……そんなの、まだ全然!」
「俺、ちょっと考えてみたんだけど」
そう言って、大和はノートの端を破り、小さく折った紙を差し出した。
「なにこれ?」
「候補っていうか……仮」
そっと開くと、少し乱れた字でこう書かれていた。
《Twilight Notes》
「……トワイライト?」
「夕方の放課後、音楽室。……だいたい俺たち、いつもそこで練習してるだろ?」
その言葉に、思わず笑ってしまった。
ちゃんと見てくれていたんだ――あの放課後を。
「……いい名前。すごく好き」
大和は照れたように目をそらす。
「なら、決まりだな」
「うん。“Twilight Notes”、ふたりのはじまりにぴったりだね」
窓の外で、春の光がきらめいた。
まだ何も形になっていない未来が、ほんの少し輪郭を持ち始める。
リズムも、メロディも、歌詞も、全部これから――
でも、それでもきっと大丈夫。
君となら、きっと。