日本語が拙い外国人と恋仲になりました
「チョウさん」
『はい』
「外滩で、待ってます」
『分かりました、急ぎます』
「大丈夫。ゆっくり来てください」
『いいえ、急ぎます。ワタシは早くアナタに会いたい』

 そう言うと、チョウさんは慌ただしく電話を切った。

「……ふふ」

 チョウさんのひとことを聞いて、私は笑いをこらえることができなくなる。肩が震えて、顔が熱くなって、そして、すごく幸せな気分になった。

「早く会いたい、だって」

 誰に向けたわけでもない私のひとり言は、街の音にかき消された。
 ──チョウさん、私も同じ気持ちだよ。
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