日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 視線を逸らさず、私はゆっくりと口を開いた。

「チョウさん」
「はい」
「あなたの気持ちは、すごく嬉しい。私もチョウさんのことが好きです」
「本当ですか!」
「うん。だけど──」

 私は、あなたが思っているようないい女じゃない。
 過去を言い訳にして逃げるはもうやめる。あのことをチョウさんに隠したままではいたくないの。

「チョウさんに聞いてもらいたいことがあります」
「なんですか?」

 私は深く息を吐いてから、自分の過去をチョウさんに話した。知らずのうちに、既婚者と二年も付き合っていたことを。
 気づけなかった自分にも非がある。彼に子供ができて別れを告げられた。私は愚かな女なの。
 こんなダメな奴だから、誰かと幸せになることはできない。
 私は赤裸々に全部を語った。

 チョウさんは終始無言だった。表情もなくなり、この話を聞いてどう思っているかまるで読みとれない。
 普通の感覚なら、こんなことを聞かされていい気持ちにはなれないと思う。嫌悪感を抱くようになるだろう。
 私はチョウさんが好き。仕事仲間としても、人としても。それに、一人の男性としても。 
 だからこそ、隠し事はしたくなかった。
 一緒になれない覚悟はあったから、どんな答えが返ってこようが私は受け入れる。
 身勝手かもしれないけれど、これが彼に対する私の誠意だ。
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