日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 私が全て話し終えると、チョウさんは両腕を組む。うーん、と低く唸り、小さく首を横に振った。

「それは……酷い。酷すぎる話だ」

 語尾を強くして、チョウさんははっきりとそう言い放った。
 今までに見たこともないほど、彼の目つきが鋭い。
 その場の空気が一気に変わった。
 チョウさんの瞳には怒りの文字が映し出されている。肩を震わせ、顔だけでなく耳まで赤く染めていて。見るからに冷静じゃない。
 今までにない彼の雰囲気に、私は少し驚いてしまう。

「すみません。こんな話をしてしまって。気分、悪くしましたよね……」
「ワタシはとても怒ります。すごくよくない!」

 ああ。やっぱり。チョウさんに引かれてしまった。
 胸が苦しくなるというより、切なさで埋もれた。これで私も、彼に嫌われてしまうのだろう。
 チョウさんは勢いよく両手を差し出してきた。そして、再び私の手のひらを握りしめるの。
 彼の指先は小刻みに震えていた。

「ワタシはその話、許すことができない!」

 はっきり放たれたひとことが私の心を突き刺す。
 既婚者と付き合っていたなんて、許せるわけないよね……。
 チョウさんは手を握る力を強くした。そのままぐっと、私の全身を引き寄せてきて。
 思いっきり抱き締められた。

「……は」

 驚きのあまり、私は硬直してしまう。
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