日本語が拙い外国人と恋仲になりました
「チョウさんは、私のことを騙したりしない……?」

 失礼すぎる質問だと思う。けれど臆病な私は、問いかけられずにはいられなかった。
 本当は、分かっている。彼の人間性を。チョウさんはチョウさんなの。あんな男とは別人なのよ。

「大丈夫です、ムラオカさん。ワタシはアナタを守ります。嫌な過去は忘れる。いいですか?」

 そう言われた瞬間、瞳の奥から熱い涙が流れた。
 チョウさんの強い想いが、怯えていた私の心を救ってくれるようだった。
 なぜ私がこの人に惹かれたのか、改めて分かった瞬間だ──。

「チョウさんがいてくれれば……きっと前に進めます」

 陽の光が少しだけ西側へ進む空の下。外滩の中心で、私たちはたしかにお互いの想いを通わせた。
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