日本語が拙い外国人と恋仲になりました
29・上海を発つ
◆
翌朝。出発のときが訪れた。
早朝にも関わらず上海浦东国际空港は多くの人々が行き交う。みんな大きな荷物を持ち、時計を確認しながら急ぎ足でターミナル内を歩いていた。
この忙しない空間の中、私は彼との最後のひとときを過ごした。保安検査場を背に彼と向き合うが、どうしても「さようなら」「またね」の一言を口にできない。ここに来て三〇分以上が経過してしまった。
肩をすくめ、彼は眉を八の字にする。
「あの……ミキさん。時間が、なくなりませんか?」
チラチラと腕時計を見ながらも彼は私の手を握りしめて放さない。
私も曖昧にしか頷くことしかできなかった。
「行きたくないけど……あまり時間がないのよね」
搭乗口まできっと距離があるだろうし、本当に時間は限られている。
翌朝。出発のときが訪れた。
早朝にも関わらず上海浦东国际空港は多くの人々が行き交う。みんな大きな荷物を持ち、時計を確認しながら急ぎ足でターミナル内を歩いていた。
この忙しない空間の中、私は彼との最後のひとときを過ごした。保安検査場を背に彼と向き合うが、どうしても「さようなら」「またね」の一言を口にできない。ここに来て三〇分以上が経過してしまった。
肩をすくめ、彼は眉を八の字にする。
「あの……ミキさん。時間が、なくなりませんか?」
チラチラと腕時計を見ながらも彼は私の手を握りしめて放さない。
私も曖昧にしか頷くことしかできなかった。
「行きたくないけど……あまり時間がないのよね」
搭乗口まできっと距離があるだろうし、本当に時間は限られている。