日本語が拙い外国人と恋仲になりました

32・今を大事にする

 夜八時になり、勤務時間が終わった。支配人たちに引き継ぎを済ませ、タイムカードを切った。

「うっす、村岡さん! おつかれぇーっす!」

 ニヤニヤしながら菅原くんがスタッフルームに戻ってきた。

「うん、お疲れさま」

 なんとなしに私が挨拶を返すと、菅原くんがこちらをじっと見つめて鼻をならした。

「ふふん。いや~、いい顔してますね!」
「……はい?」

 私は思わず顔を逸らす。
 もう。この子は……まーた私をからかうつもりね?

「これからデート(・・・)なんすよね!」
「そ、そうだけど。それがなに? 大人なんだから仕事帰りに約束のひとつやふたつあるわよ!」

 否定もせず、私が堂々と言い返すと菅原くんは更に頬を緩めた。
 もっとからかわれるんだろうなぁ……
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