日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 色々話して、彼のことをよく知れたと思った。素直な性格で故郷が大好きな陽気な中国人。私の偏見だけど、中国の人って結構きついタイプが多いイメージだった。でも……チョウさんを見てたらそんなことないんだなって思い始める。

「……まあ、人それぞれよね」
「なにが言いましたか?」
「ううん、なんでもないです。もうこんな時間。そろそろ帰りましょうか」
「はい。今日はアナタと楽しくお寿司を食べることができた。最高の時間をありがとう」

 終始笑顔のチョウさんを前に、私まで明るい気持ちになった。
 日本語は拙くて、敬語やタメ語がごっちゃになる感じも……嫌いじゃないかも。
 今日は来てよかったな。

 その日は帰宅ラッシュの満員電車に揺られながら、いい気分で帰路についた。
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