日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 家庭で上手くいってないからと、こいつはわざわざこんなところまで来た。私、そんなに軽い女に見える? また騙せそうって思ったの?
 そんなわけないじゃない。私は……もう、前とは違うの。過去は消せないけれど、新しい道を歩みはじめたの。
 これ以上、構わないで!

 どんなに強くそう思っても、大野からは逃れられない。抱きしめられたまま強引に全身を引かれ、私は路地裏へ連れ去られそうになった。
 嫌だ。怖い。怖い。誰か……誰か助けて……!!

 絶望を感じた、そのときだった。

 背後から、誰かがこちらへ走ってくる気配がした。不規則な足音が、どこからともなく鳴り響き。その足音の主は、まるで慌てているかのようにこちらへ駆け寄ってきたのだ。

「㗏! アナタは何をしている!」
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