日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 考えていくうちに、ふと疑問が湧き出てきた。
 私……なんでこんな男に惚れてたんだっけ? 過去の私の目は節穴ですか? 大野と付き合っていた事実はもはや黒歴史じゃないですか……?
 こんな男にトウリョウさんのことをあれこれ言われるのもさすがに許せないわ。

「人として最低よ。どうして奥さんを、家族を大事にしないの? フラフラしてるあなたに、彼のことをとやかく言われる筋合いはない。彼は何ごとに対しても真っ直ぐで一生懸命で優しくて、本当に素敵な人なの!」

 ほぼ息継ぎをせず、私は自分の想いを連ねた。
 ここまで興奮したのは初めてかも……。

 呼吸が乱れるほどまくしたてる私を前に、大野は怪訝な表情に変わった。

「マジでこいつに惚れてんのな。……まあオレの奥さんにやべぇことバラされたら面倒だからなー。今日は仕方ないから帰ってやるよ」

 大野はダルそうな足取りで後ろを向いた。
 さっさと私たちの前から消えなさいよ。
 心の中で悪態をつかずにはいられない。
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