日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 菅原くんはすぐに表情を和らげ、いつもの調子に戻った。

「ま、村岡さんがその気になれば、俺の大学の友だちだったらいつでも紹介しますよ!」

 ……なにそれ。本当にこの子、お節介よねぇ。 

「ざんねーん。私、大学生には興味ないのー」
「ええ、なんすか、それ」

 不服そうな顔をする菅原くんを見て、なんだか私は笑いが止まらなくなった。「もういいから、業務に集中して」なんて言ってみたものの、心の中ではずっと腹を抱えて笑ってる。

 菅原くんのおかげで、ちょっとは前を向かなきゃって思えたかも。
 私の中では、闇として抱えている苦しい思い出。他人にいつまでも心配されているようじゃダメだ。
 別に結婚願望もないし、今は仕事が充実しているんだから毎日が幸せだよ。

 自分に言い聞かせるように、私は仕事と家の往復の日々を送った。
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