日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 ある日の仕事帰り。

「ムラオカさん。今日も一緒にご飯へ行きましょう」

 退勤した後、スタッフルームでいつものようにチョウさんが誘ってきた。
 明日はお互い休み。給料も入ったばかりだし、私は二つ返事でオッケーした。

「今日はなに食べましょうか。駅前のお好み焼き屋さんとかどうですか?」
「いいですね。お好み焼きは好きだ。そして、ご飯を食べた後に、大門駅の方へ行きたい。いいですか?」
「大門。どうして?」
「ええっと。あの、東京タワーを眺めたいと、ワタシは思っている」

 よく分かんないけど、それほど遅くならないならいいか。食事の後に軽く運動するのも悪くない。

 それから私たちはお好み焼き屋さんに行って、他愛ない話をしながら食事をした。二人ともお酒は飲まないからいつもソフトドリンク。
 意外だよね。チョウさんはお酒を飲まないだけじゃなく、たばこも一切吸わないの。私はたばこがあまり好きじゃないから、すごく助かる。
 だからなんというか、彼と食事をするのはいつも居心地がいい。
 今日は週末で、店内は結構混んでいた。
 でも、チョウさんが幸せそうに食事をする姿を眺めていると、周りの騒がしい声なんて全然気にならないよ。

「上海の料理は美味しいですが、日本の料理も最高だよ」

 同じ時を過ごしていくうちに分かった。彼は純粋に、日本のことも大好きなんだなぁって。表情だけで伝わってくるもの。
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