日本語が拙い外国人と恋仲になりました
うーんと唸る私に、支配人はパソコンで予約画面を開いた。
「この方。予約受付者が村岡さんになっているんだよ」
確認すると、たしかに私の名前でタナカユウキ様の予約が取られていた。シングルルームを二部屋、昨日すでにチェックアウトされたようだ。
そうだ。たしか朝早くに電話が来て二名利用で取ったのよね。
眉を落とし、支配人は更に続ける。
「村岡さん、ちなみにお部屋の希望は訊いた?」
「えっ」
その問いに、私はすぐ答えることができなかった。
そういえば、利用人数は訊いた覚えがあるけれど──部屋タイプや室数は訊ねなかった気がする。
画面にはシングルルーム二部屋の予約。
……嫌な予感がしてならない。
パソコン画面から顔を逸らし、私は恐る恐る支配人の方を向いた。
「訊かなかったと思います……。私の記憶が正しければ、ツインを一部屋で確保しました」
「そう、その通り」
支配人が頷く前で、私は一瞬目の前が真っ白になった。
「タナカユウキ様は二名利用で、部屋は二室予約したかったそうなんだよ。お客様の方でも二名利用としか伝えてなかったと仰っていたけど、ホテル側がしっかり部屋数も確認しなくちゃいけない。基本だよ」
「はい……そうです。その通りです……。やだ、私……どうしてこんなミスを……」
今までしたことがない失敗に、私は目眩がした。
だけど支配人はあくまでも穏やかだった。
この日はたまたまキャンセルが出てシングルルーム二つ確保できたけどね、とか言ってフォローしようとしてくれてる。
だとしてもそれは結果論。……もし満室だったら? お客様に相当な迷惑をかけることになったかもしれない。
「この方。予約受付者が村岡さんになっているんだよ」
確認すると、たしかに私の名前でタナカユウキ様の予約が取られていた。シングルルームを二部屋、昨日すでにチェックアウトされたようだ。
そうだ。たしか朝早くに電話が来て二名利用で取ったのよね。
眉を落とし、支配人は更に続ける。
「村岡さん、ちなみにお部屋の希望は訊いた?」
「えっ」
その問いに、私はすぐ答えることができなかった。
そういえば、利用人数は訊いた覚えがあるけれど──部屋タイプや室数は訊ねなかった気がする。
画面にはシングルルーム二部屋の予約。
……嫌な予感がしてならない。
パソコン画面から顔を逸らし、私は恐る恐る支配人の方を向いた。
「訊かなかったと思います……。私の記憶が正しければ、ツインを一部屋で確保しました」
「そう、その通り」
支配人が頷く前で、私は一瞬目の前が真っ白になった。
「タナカユウキ様は二名利用で、部屋は二室予約したかったそうなんだよ。お客様の方でも二名利用としか伝えてなかったと仰っていたけど、ホテル側がしっかり部屋数も確認しなくちゃいけない。基本だよ」
「はい……そうです。その通りです……。やだ、私……どうしてこんなミスを……」
今までしたことがない失敗に、私は目眩がした。
だけど支配人はあくまでも穏やかだった。
この日はたまたまキャンセルが出てシングルルーム二つ確保できたけどね、とか言ってフォローしようとしてくれてる。
だとしてもそれは結果論。……もし満室だったら? お客様に相当な迷惑をかけることになったかもしれない。