日本語が拙い外国人と恋仲になりました

11・菅原くんの説教




 飛行機に揺られ、私は窓の外を眺めながらイヤホンで音楽を聴いていた。耳元に流れるのは、中国人女性アーティストが歌う曲。二胡に重ねた繊細な歌声が、ゆったりとしたメロディを奏で、自然と心を癒してくれる。

 雲の上は太陽が一層輝いて見えた。むしろ眩しいくらい。
 ときどき機内が揺れてドキッとすることもあるけれど、それは余計な緊張に過ぎない。

 これから私は、チョウさんに会いに行く。

 そっちの方が何倍もドキドキしているの。
 彼と上海で会いましょうと約束を交わしたわけじゃない。連休を使って、勢いでここまで来てしまっただけだ。
 流れゆく白い雲を見下ろしながら、私は数日前のことを振り返る──
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