日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 呆れながらも、私はひとまずお料理をいただくことにする。
 ふんわりとした玉子焼、お肉がジューシーな唐揚げ、素材の味を楽しめるサクサク衣の天ぷら。それぞれの料理を噛み締める度、うまみが口の中に広がる。いつも飲まないお酒が、ちょっとだけ進んだ。

「この唐揚げ、マジ最高っす!」

 と、はしゃぎながら菅原くんは遠慮なく料理を頬張っている。

 ひと通り食事をし、いい感じにアルコールが回ってきた頃。またもや菅原くんが生意気な口を開くの。

「で、村岡さん。実際はチョウさんのこと、どう想ってるんすか?」

 本当に、この子はしつこいわ。
 お酒のせいで顔が熱くなる。私はふうと息を吐き、どうせならきっぱりと言ってやろうと思った。

「好きに決まってるじゃない!」

 ……ん? あれ? えーと。私、今なんて言った?
 顔が熱くなるだけじゃなく、なぜか胸までドキドキしてきた。
 ダメだ。これは絶対にアルコールのせい。そもそもそんなに強くないのに、飲み過ぎてるかも。
 決して、チョウさんのことをそんな風に想っているわけじゃない。
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