日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 空港からホテルまでの道のりを思い出していると、ある光景が頭の中に蘇った。
 道中、私はあの観光地(・・・・・)を通ったかもしれない。以前チョウさんが教えてくれた「外滩」に。
 平日なのに観光客が多くて、川沿いの向こうには大きなビルがいくつも建ち並び、近未来的な巨大タワーも聳え立っていた。
 その真反対側を振り返ると、ヨーロッパのようなお洒落な町並みが広がっていて、そんなギャップがとても印象に残っている。

 運転手さんは観光地について色々喋っていたと思うけれど……いつの間にか別の言語(たぶん上海語?)になっていて、ほぼ会話が成立しなかった。せめて私がもう少し中国語を話せたらよかったのに。
 悔しいけれど、明日になったらもう一度あの場所へ行ってみたい。チョウさんが話してくれた、上海の有名な観光地。とにかく何か行動しないとここまで来た意味がない。
 この旅の一番の目的は、チョウさんと会うことなんだから。

《今、上海に来ています。明日、外滩へ行こうと思います》

 迷惑かもしれないけど、連絡しないと会えるわけがない。
 スマホを取り出し、メッセージを開こうとした。すると……

「あっ」

 最悪。電池がゼロ%になってる!
 私は泣く泣く充電をはじめ、ある程度たまってからメッセージを送ろうとした。
 けれど。
 疲れすぎていたのだろう、その後いつの間にか眠ってしまった。幸先が悪すぎて逆に笑える。
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