日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 嬉しさのあまり、心臓が飛び跳ねた。と同時に、急に恥ずかしさが込み上げてきた。
 どうしよう。何を話したらいいかな。

『ムラオカさん?』

 電話の向こうで、チョウさんが戸惑ったような声で呼びかけてくる。
 ふうと息を深く吸い込み、私はどうにか口を動かした。

「あの。チョウさん。お久しぶりです」

 びっくりするくらい、声が低くなってしまった。
 電話ごときで緊張するなんて。らしくないよ……!
 テンパる私とは裏腹に、チョウさんはいつものように明るい口調で答えてくれるの。

『はい、久しぶりです。ムラオカさんは元気ですか?』

 彼の優しい問いかけに、目尻が熱くなった。平静を装いながら、私はぎこちなく頷く。

「元気ですよ。チョウさんは? 大丈夫……? 色々、大変でしたね」
『そうですね。色々なことが起きました。ですが、ムラオカさんの声を聞くことができてワタシは幸せです』

 ──また、そういうこと言う。
 私は思わず頬を緩めた。
 やっぱりチョウさんはチョウさんだね……。
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