Naked Love〜涙の跡を舌で辿る時〜
それから暫く。
先輩は自分の宣言通り、常に私の傍にいてくれた。
でも、そんな事ばかりしていたら、先輩と加地さんの貴重な時間を削ってしまうと私はそう思う様になってきた。
負担にはなりたくない。
大好きな先輩だからこそ。
だから、意を決して先輩に自分の深くに眠る気持ちを初めて吐露した。
「本当は…忘れられないのは私の方なんです。逃げてばかりで、彼に気持ちをぶつけられない、弱いやつなんです」
そう言うと、困った様な顔をした先輩は、んーと少し悩んでから、
「希子ちゃんが、そう本気で思って本気でその彼に想いをぶつけたいって、ちゃんとけじめを付けようとしてるなら、応援する。でもね?間違わないで。希子ちゃんは過去に囚われてるんじゃないから。ただ彼の事が誰よりも大切なだけなんだから、ね?」
その言葉に、此処が社内だと分かっているのにも関わらず、泣きたくなった。
そっか…。
諦めなくても、いいんだ。
昔の純粋な気持ちを持ち続けても、罪にはならないんだ。
この数年の積み重なった感情のアップダウンは、本当に悪い意味でのジェットコースターだったけれど…それでも彼が覚えていてくれたなら…それで十分。
あとは、私の出方次第。
勇気を出す、だけだ。
「先輩、もし彼に次に会えたとしたら…その時こそ、私ちゃんと勇気出します!」
「うんうん。そうね。無理しないように。希子ちゃんの気持ちが一番大切だからね」
にっこり。
先輩は何時もの温かな笑みを見せてくれて、私ほ頭をぽんぽん、と撫でてくれたのだった。
未だ、完成されないこの気持ちは、幼さが抜けきらないくらい一人で溜め込み、膨らませた状態なままの恋。
言うなれば、誰にも伝わらない未完成のメロディ。
彼が私の名前をああやって優しく呼んでくれるなら。
もう一度、私から始めてしまってもいいだろうか?
彼が、私を思い出してくれているならば…この未完のままな楽譜に、音符を一つまた一つと書き綴ってもいいだろうか?
そんな事を頭の隅っこの方に置いて、私はまたパソコンとタブレットを見返して、次に回ってきていた課題となるコンペティションのレイアウトを考えていく事に没頭した。
私としては大きな仕事だから、より一層力を入れなくてはならない。
カタカタ、カチ、カチ、
パソコンのキーボードに指を落として、途中マウスを動かして…気付いたら丁度、就業時間五分前になっていた。
んー!
と両手を上げて肩を回した。
今日は結構仕事の進捗状況的には、効率良かったかも。
途中で退社していた先輩のデスクに、今日の内に用意しておいた彼女の好きなメーカーの生チョコと紅茶葉セットをそっと置いて、帰宅する支度をする。
うちの課は基本課長の方針により、無駄な残業は一切許されないので、叱られる前にもう席を外して退社している課内の人達のデスクの施錠確認をしてから小さな声で、
「お疲れ様でした」
と、ペコリと頭を下げて、帰宅した。
先輩は自分の宣言通り、常に私の傍にいてくれた。
でも、そんな事ばかりしていたら、先輩と加地さんの貴重な時間を削ってしまうと私はそう思う様になってきた。
負担にはなりたくない。
大好きな先輩だからこそ。
だから、意を決して先輩に自分の深くに眠る気持ちを初めて吐露した。
「本当は…忘れられないのは私の方なんです。逃げてばかりで、彼に気持ちをぶつけられない、弱いやつなんです」
そう言うと、困った様な顔をした先輩は、んーと少し悩んでから、
「希子ちゃんが、そう本気で思って本気でその彼に想いをぶつけたいって、ちゃんとけじめを付けようとしてるなら、応援する。でもね?間違わないで。希子ちゃんは過去に囚われてるんじゃないから。ただ彼の事が誰よりも大切なだけなんだから、ね?」
その言葉に、此処が社内だと分かっているのにも関わらず、泣きたくなった。
そっか…。
諦めなくても、いいんだ。
昔の純粋な気持ちを持ち続けても、罪にはならないんだ。
この数年の積み重なった感情のアップダウンは、本当に悪い意味でのジェットコースターだったけれど…それでも彼が覚えていてくれたなら…それで十分。
あとは、私の出方次第。
勇気を出す、だけだ。
「先輩、もし彼に次に会えたとしたら…その時こそ、私ちゃんと勇気出します!」
「うんうん。そうね。無理しないように。希子ちゃんの気持ちが一番大切だからね」
にっこり。
先輩は何時もの温かな笑みを見せてくれて、私ほ頭をぽんぽん、と撫でてくれたのだった。
未だ、完成されないこの気持ちは、幼さが抜けきらないくらい一人で溜め込み、膨らませた状態なままの恋。
言うなれば、誰にも伝わらない未完成のメロディ。
彼が私の名前をああやって優しく呼んでくれるなら。
もう一度、私から始めてしまってもいいだろうか?
彼が、私を思い出してくれているならば…この未完のままな楽譜に、音符を一つまた一つと書き綴ってもいいだろうか?
そんな事を頭の隅っこの方に置いて、私はまたパソコンとタブレットを見返して、次に回ってきていた課題となるコンペティションのレイアウトを考えていく事に没頭した。
私としては大きな仕事だから、より一層力を入れなくてはならない。
カタカタ、カチ、カチ、
パソコンのキーボードに指を落として、途中マウスを動かして…気付いたら丁度、就業時間五分前になっていた。
んー!
と両手を上げて肩を回した。
今日は結構仕事の進捗状況的には、効率良かったかも。
途中で退社していた先輩のデスクに、今日の内に用意しておいた彼女の好きなメーカーの生チョコと紅茶葉セットをそっと置いて、帰宅する支度をする。
うちの課は基本課長の方針により、無駄な残業は一切許されないので、叱られる前にもう席を外して退社している課内の人達のデスクの施錠確認をしてから小さな声で、
「お疲れ様でした」
と、ペコリと頭を下げて、帰宅した。