秘密な恋愛
その時
撮影終了の合図があり
ハルは花菜から距離を取り
やっと花菜へと視線を向け

「世間がどう思うかで、俺の気持ち変わると思ってんの?」
と冷たい声で呟く。

「そんな同じ芸能人でもない、普通の子が。ハルくんと釣り合うわけないじゃない。ハルくんの隣に立って、世間にどう見られるか考えたことある?」

「お前さ。やっぱなんも分かってねぇのな。···俺らが別れた理由」
冷たい声だが、どこか悲しさ
寂しさを感じさせるハルの声と
表情。
花菜は一瞬、言葉に詰まり
ふと視線を逸らす。


「別れた理由なんて。··お互い忙しかったし、余裕なかったからでしょ··?」

花菜の言葉に、
ハルは一瞬だけ、ふっと笑った。
でも目は笑ってない。

「違う」
低く、落ち着いた声。

「そんな理由で、別れたりなんかしねぇよ」
少し間を置いて、視線を逸らす。

「お前さ···まだ俺のこと、都合のいい理由で片付けようとすんのな」

その言葉を聞き、
花菜の表情が一瞬曇る。

ハルは、もう一度花菜を見て
「俺が離れたのは。一緒にいて、ひとりだって思ったからだよ」

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