ずっと夢を見ていたかった
第6話 春の最期
「楓、大丈夫か!?」
作間の声で目を覚ました春。
私は眠っていた???
大好きな作間が私を抱きしめる。
力が強いよ…。
苦しくて幸せ。
どうなっている!?
時間が巻き戻った?
それとも夢?
「今日は何日?」
作間が答えた。
1週間が経っていた。
「春ちゃんが亡くなったよ…。
1週間前に…。安らかな顔をしてたよ。」
安らか?
私が殺したのに…?
ん?私が殺したのではない!?
「楓が生きていてくれてよかった…。
春ちゃんのためにも幸せになろうな。」
どうやら春は私が殺したのではなく
自然に死んだらしい。
殺そうとした瞬間、
私は気を失って倒れた。
殺した記憶も感触もない…。
亡くなってしまったのは春の身体。
だけど、亡くなったのは楓?
楓は私の身体の中にいたの?
わからない。
確認のしようもない。
終わったことだ。
楓の分も幸せになるからね!
作間と一緒に…。