政略的皇女は隣国の第2皇子に嫁ぐ
その後私はテオと一旦離れ、私は大聖堂の扉まで向かいました。
そう、入場は父親とするものですからね。
先にアルドリック帝国の私の父はそわそわするまでもなく直立不動で待っていました。


「遅いぞ、エイルリス。もう時間は過ぎているらしいじゃないか」

「申し訳ございません、お父様。花嫁は何かと時間がかかるものですから」


お父様は久しぶりに会った私に挨拶もせずに、そして私の着飾った容姿など気にもせず、少しイラついているようでした。
私は昔から将来政治に使われるように育てられたのでこんな態度を取られても何も思いません。
むしろ早くこの時間が過ぎてほしいと思うくらいですわ。

そして準備が整うと大聖堂の扉が開き、私はお父様の腕に手を通し、ゆっくりと歩き出しました。
隣では先程のお父様はいなくなっており、ニコニコと穏やかな表情を見せております。
こんな父親の元に生まれた私は鳥肌さえ感じました。

長いようで短いバージンロードを歩くと、テオが微笑んでいました。
ようやく父の手から離れると私はテオの温もりに安堵したものです。

こうして司祭様のお言葉に静かに耳を傾け、指輪を交換しました。


「では、誓のキスを」


その言葉に私はドキッとしてしまいました。

キスなんてしたことがないものでどうしようかともじもじしていると…


「エイル、失礼します」


彼がそう囁いて私の顎に触れ、一瞬唇に触れました。
本当に一瞬すぎて私はハッと我に帰ると急に恥ずかしくなりましたが、ここは公の場。
なんとか耐えて彼にはにかんだ笑みを見せました。
テオもニコリと笑い、すると大聖堂には大きな拍手に包まれ、無事結婚式は終わるのでした。
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