政略的皇女は隣国の第2皇子に嫁ぐ
「うぅ…どうして私の気持ちが伝わらないの…」

私はいつぶりに涙を流したのでしょうか。
誰かのために涙を零すのは子どもの頃以来な気もします。
どうしたら夫を皇太子、皇帝にできるのか分からなくなってきました。
中々手強い相手です。

でも、しっかりしてエイルリス。

アルドリックではこんなものではなかったはずです。



するとバルコニーの扉がガチャと開き、テオがやってきました。
泣いているのがバレないように急いで目を擦ります。


「ここは私の部屋よ。誰の許可で入ってきたのかしら」

「ごめん…。君の侍女に許可はとってあるよ」


ああルナが許可したのですね…。
全くあの子ってば気が利くんだか利かないんだか未だに掴みどころのない子なんですから。


「今の時間は寒いと思ってショールも持ってきたんだ」

そう言ってテオは私のお気に入りのショールをかけてくれました。


「「あの…!」」


お互い言葉が被ってしまいましたが、気まずそうにテオから次の言葉を発しました。


「さっきはごめん。言いすぎたよ」

「わ、私も言いすぎてしまいました…。ごめんなさい」

「…さっき言われた言葉を考えてみたんだよ。確かに僕は昔から大人しくて従順で欲のない皇子だったよ。周りから言われるくらい。でもなんだか君と出会ってから僕の中の何かが変わりそうな…そんな気がしてる。それが君が望む、僕が皇太子になることに繋がってるかは分からないけどね。だから後日一緒に南部へ行ってみないか?」

「テオ…!ありがとう」


私は何だか嬉しくなってテオに飛び込んでしまいました。

嬉しい、嬉しいのです。

でも私の心は簡単に変えられる訳ではありません。

ふふ、ここら辺で私の過去でもテオに打ち明けてみましょうかね。
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