月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
寧丸がフルハ島に行くことを反対する者はいないこともあり、その場は解散となる。
「女、私が見ているところで、荷物をまとめろ」
寧丸が桐杏に言った。これも前もって相談していたとおりの流れだ。
「皇子、夜伽者の監視なら、私がやります」
風来念も寧丸から言うように指示されていた台詞を言う。
「私は用心深い。この女が武器を隠し持ったりしないか、この目で見ないと気が済まないのだ。だが、目視するならひとりよりもふたりの方がいいだろう。よし、そちも来るのだ」
自然な流れで、三人は桐杏の家へと向かった。役人たちから遠ざかると、寧丸も風来念もしたり顔となる。
「あー、緊張した」
風来念はこの状況を楽しんでさえいた。話によると、彼は役人になりたかったというより、バロンに来たかったようだ。また、皇族の中で寧丸にだけは憧憬の念を抱いていて、畏怖羅と寧丸が親子で敵対した場合は、寧丸につくと言う。