月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「確かに、ここへ来る前は絶望していたよ。でも、最近になって気が変わった。なにも家族のためだけじゃない。よく考えたら寧丸皇子は美男子だし、私、夜伽をするのがあの人なら嫌じゃないな。私みたいな何の取り柄もないぶすが、皇族で、しかもかっこいい男性に抱かれるなんて、前の暮らしじゃ考えられないもの。縫製も得意だから、いつもやらされている作業も苦じゃないし、ここではかなりいい生活ができていると思う」


 瑚乃の発言に、桐杏は驚いた。寧丸が眉目秀麗なこともあり、夜伽者という制度が巧妙にできていると感じる。現に、桐杏も寧丸の顔を初めて見た時、心がどきどきとした。
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