月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
「桐杏はよく見ず知らずの人間のことまで考えられるね。あたしは自分以外の夜伽者と会ってみたいなんて微塵も思わなかったなあ。危険を冒してまで、やるようなことじゃないよ。赤の他人がここでどうしていようが、興味ないしね」
「私と同じ夜伽者の女性なら、この敷地内で同じ思いを共有できる数少ない存在だと思ったからです。それと、私は同世代の女性と親しくなりたいという気持ちがあります。島は子どもの数が少なく、私と同い年の女の子がいなかったので」
「ふーん……あたしはここへ来る前はいじめられたり、裏切られてばかりだったから、女の友情なんて、あこがれを持つようなものでもないと言いたい」
「……」
琉忍に苦言を呈され、桐杏はしゅんとなった。