月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
「寧丸にはとっととあたしを抱いてほしいね。あたしたちを生かす気持ちがあるなら、かっこつけたことを言わず、抱けばいいじゃないの」
「……そうですかね。私たち女性陣とここで関わりを持つ男性は寧丸さまくらいなものです。ですから、実際に彼の夜伽の相手をしたら、身分の違う彼に心から愛されたい、彼との子がほしいと、欲が出ると思います。きっと、今以上に辛くなる。体を交えていない今ならまだ、そうなる事態を避けられます」
「……夜中に初対面の人間の家に押しかけてきて、その上説教とか、うっとうしいよ、桐杏」
琉忍は桐杏を睨みつける。その剣幕に気圧された桐杏は彼女に一礼してから、家を出た。